にのだん社会保険労務士事務所は
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にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和8年4月号(No.77)
【①優越的地位の濫用】
店舗をたくさん持つ小売業の会社が新規開店する際、取引業者に対し商品の陳列や品出し、さらには接客まで無償で対応を求めていたことが判明といったニュースを耳にすることがあります。この場合、下請けの立場である業者が、大口の取引先からの要求に応えないと取引が直ちに止められてしまうかもしれないリスクを回避するため「協力」というかたちで、金銭や人材の負担を本来不要にも関わらず負担せざるを得ない場合「優越的地位の濫用」として独占禁止法違反に問われる可能性があります。
業者間で強い立場、弱い立場があるように、お店の従業員と顧客との間でも優越的地位の濫用と言えるのが「カスタマーハラスメント」かもしれません。
カスタマーハラスメントは、顧客等の言動であって社会通念上許容される範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されるものであり、対面のみならず電話やSNSなどインターネット上で行われるものも含まれると示されています。
最近では、お店など売場の目立つところにカスタマーハラスメント防止をアピールするポスターが貼られているのを見かけたり、店内放送でカスタマーハラスメントに対する店側の対応方針を伝えるなど様々な対策が見受けられます。「お客様は神様です」という言葉がまかり通ったのは昔の話で、顧客に対して過度なサービスを要求することをけん制する効果が大きいかもしれません。
令和8年10月からは、事業主の責務として
①カスタマーハラスメントに関する対処の内容など労働者を保護する方針の明確化を労働者に周知
②相談体制の整備
③事後の迅速かつ適切な対応
④対応の実効性を確保するために必要なカスタマーハラスメント抑止のための措置
⑤相談者のプライバシー保護など
を講じることが求められます。これからは顧客側だけでなく、労働者に対してもカスタマーハラスメント防止対策に関して、ポスターなどによる周知の準備が必要になります。
【②やらぬ後悔よりやる後悔】
先月、出身高校の卒業生が集まる総会に参加しました。2年前に開催された総会では、甲子園初出場のタイミングも重なり盛り上がりも最高潮、大勢の方が集まりましたが、今回も参加者が70名近くと多くの方が集まり、若い方は20代から、最年長の方は90歳超えと幅広い世代が交流する場となり、有意義な時間を過ごすことが出来ました。
その中で参加者から聞こえたのが「最近母校の学生数がかなり減った」という声でした。私の時代では1クラス45人×9クラスの計405名いましたが、先輩の話ではさらに100名以上多い500名超えであったとのことで、私の時代も含めあの当時の教室は本当に超満員であったことを思い出しました。
3月に同じ高校を卒業した息子の学年は定員200名と私の頃と比較して半分未満に減少していました。さらに今年度の入試からはさらに40名減少の定員160名となりましたが、最終的に追加合格者を含めても定員割れとOBとしては本当に残念な気持ちでいっぱいです。
和歌山県内の急激な少子化の波はこれからも進み、今以上に子供の人数が少なくなるのは紛れもない事実です。私立高校の無償化により公立学校はさらに厳しいことが想像出来ます。とはいえ和歌山県内全ての県立高校が定員割れになっているのではなく、一部の高校は定員を大幅に超えています。人口が集中する和歌山市内だけであれば外的要因による有利性だろうと言えますが、和歌山市内以外の地域でも定員超えの高校は存在します。
定員割れの原因を少子化や地域性不利のみで片づけるのではなく、1人でも多くの志願者を増やすために何か改善に取り組むことがあるかもしれません。息子のときに感じたのが、始業時間と最寄り駅の到着時間との差が5分しかなく、せめて始業時間を5分遅らせたら遠く離れた学生も電車通学しやすいのではと感じたことがありました。そんな単純なことで生徒が一気に集まることはなかったとしても、何もしないよりは「とりあえず何かやってみよう」の精神は大事であると感じます。
これは、人材がなかなか集まらないと嘆く事業所様にも繋がるかもしれません。求人募集を単に媒体を使って告知するだけでは集まらない時代になりました。最近ネット上で会社やお店の日常的な雰囲気を映し出す動画が流れており、これらは間接的に人材を獲得する有効な方法になっているのかもしれません。やらぬ後悔よりやる後悔の精神で新しい方法の人材獲得に挑戦することも大事かもしれません。
~最後までお読み頂きありがとうございました~